待つことと、自己愛
「私たちは皆、待つことに翻弄されて生きている」と春日武彦さん。
彼の著作に共通して横たわる思想があるように感じていて、言いたいことがシンプルっぽいところが好き。本の中で登場するキーワードを結びつけて読むことが、さながら推理小説のようでもある。推理小説なんて、数える程しか読んだことないけど。
例えば内田樹の、「学び」「祝福」「とむらい」「先生」「共同体」「呪縛」「アンダーアチーブメント」「マイノリティ」といった言葉を、繋いで行くような作業。
忙しさにかまけるのは、いつしか訪れる終わりの日を祈りながら待つことのできない人の、対極にある選択肢なのかもしれない。
時間を感じなくなるためのオマジナイがあって、それは例えば引きこもって時間の流れを断つこともそう。夢を語るが行動に移さない人もそう。
それが悪いとかではなく、それぞれの待つ形があるということだと思う。その待たされ続ける時間を納得感のあるものに昇華していくための原動力が自己愛なのではないか。
なんて、読んでいて思いました。
春日武彦さんのキーワードは…
「自己愛」「待つ」「忍耐」「人に立つ瀬を与える」
まだまだ増えそう。