心のコルセット
なんだ、心のコルセットって。石田衣良の小説のタイトルみたいだ。
昼は神保町にて、友人と食べた。前職の同期であり、高校時代からの友人。私が東京離れて実家に戻るときお世話になった1人でもある。
どうやら婚活を始めたそうで、婚活パーティーは初対面の人が円滑にコミニケーションを取れるための自己紹介カードを事前に記入しておき、それを見てお互いに話をすると言うルールが一般的らしい。
自己紹介とは、究極の自己対峙であると私は思うのだけど、それはさておき、何度も婚活イベントに赴き、多くの人の自己紹介を見ていくとその言葉の向こうにある大事なものがやはり見えてくるようで、それが心のコルセットであると、言うのである。
私がコルセットを巻いていると多くの人が、怪我をしたんだろう、可哀想に、アーメン、席を譲ろうかな、かっこわる、などと、「文脈を組み立ててくれる」のである。その文脈をアシストする機能の総称をコルセットと呼ぶならば、私たちは知らず知らずのうちに、心にコルセットを巻いているかも知れない。
はたからみれば仰々しいそれを、当の本人は気づかないのかもしれない。
はたまた、他人が勝手に、文脈を組み立ててくることもある。可哀想に…と。意図せず物語をあてがわれることは、極めて不快である。
心のコルセット、なんてことを考えている人が、目の前で話している真剣に相手と、生身の人間同士として対峙できるのか、甚だ怪しいが本人は乗り気だったので、婚活を続けるそうだ。アーメン。
午後は、靖国へいく。