居候生活3日目
居候3日目の朝。
昨晩は22時くらいに寝た。家主は深夜2時ごろに帰ってきた。職場の先輩に風俗に連れて行ってもらったそうで、嬉しそうにしておった。
家主は夜が忙しいらしく、昼夜逆転しておる。テレビと灯りをつけたまま4時くらいまで起きて仕事をしていた。うう、辛い。家主のイビキが聞こえてきたので私はテレビと灯りを消した。イビキがうるさい…。
しかし私は居候である。ちょっと泊めて!ではない。1週間もいるのだから、立派な居候である。そこには明確な上下関係があるのである。そういえば、東京に住んでいる友人が渋谷でナンパしたフリーターの女を無期限居候させる代わりに、ねんごろにしていると聞いたことがある。彼は元気にしているだろうか。奴の家には赤いパンティが転がっていた。
気がつくと朝6時になっている。空気が冷たい。新宿なのに1Kで家賃35000円。木造のボロアパートには、6部屋あり、家主以外の部屋には老人が単身で住んでいるそうだ。
あ、そういえば、昨日の昼に風呂に入り、使ったバスタオルを物干し竿にかけたんだった。家主の庭には、隣人の庭から伸びた物干し竿がはみ出している。使ってもよかろう。東京も十分暑い。夕方には乾くかな?なんて考えていたけど、うっかり取り込むのを忘れてしまっていた…おや?
バスタオルには、洗濯バサミがつけられ、風で飛ばないようにされていた。私はつけた覚えがない。そもそも他人の物干し竿。洗濯バサミまで勝手に使うほどの厚かましさは持ち合わせておりません。家主は、そんな工夫をするタイプではない。それは間違いなく隣人の仕業である。
新宿の隣人は優しく、今日も風は少しつよい。今朝も風呂に入った。洗濯バサミは使わない。バスタオルは気持ちよさそうに揺れている。